「Stay hungry, Stay foolish」な人たち 〜田宮模型〜

「三十歳から四十五歳という大切な時期を無自覚に過ごすな」という言葉を忘れないようにしようと心がけているのですが、「そしたら、具体的にどうすればいいんだろう」って日々考えてるんです。ですが、そんなに簡単に「こうすればいい」なんていう言葉は見つからずにいるんですが、ひとつ思ってるのは、スティーブ・ジョブズがあの有名なスタンフォード大学のスピーチのこの言葉ですね。

Stay hungry, Stay foolish(ハングリーであれ、愚か者であれ)


そして、梅田望夫さんが著書「ウェブ時代をゆく」でおつしゃっているこの言葉ですね。

コモディティー化だけは絶対にしないと決心すること(P103)


三十歳から四十五歳という重要な時期を「Stay hungry, Stay foolish」で、「コモディティー化せずに」いたいということを思っています。けど、これが難しい。。。

しかし、世の中には、「Stay hungry, Stay foolish」で、「コモディティー化していない」人達がいるんですね。そんな人たちに学ぶことも「ロールモデル思考法」かなと思って居ります。

そこで今回ご紹介したいのは、みなさん御存じの静岡から世界を舞台にその存在感をしらしめているプラモデルのトップメーカー田宮模型のお話です。



田宮模型といえば、その製品への徹底したこだわりは他の追随を許さない「凄味」があり、これを現在の維持し続けているとい意味でもまさに「「Stay hungry, Stay foolish」「非コモディティー化」の生きた事例と言えます。そんなタミヤの製品開発におけるエピソードを。

1.「こだわり」の製品化のために、本物のポルシェを勝手に分解

1976年、自動車ファンの憧れであった「ポルシェ934ターボ」の製品化を決意。そしてドイツのポルシェ本社を訪れ、ポルシェの組立工程を見て、「この組立工程をプラモデルで再現したい!」と社長の田宮俊作氏は思います。しかし、取材ベースでは内部構造まではわからないわけです。

そこでタミヤはポルシェを購入してしまいます。そして、ネジ一本までタミヤの企画開発部のスタッフが分解してしまいます。。。

これをもとに製品化したのですが、あまりにも精密に作りすぎたため、金型が数千万円に。。営業的には残念な結果に。。。

バラバラになったポルシェを見たポルシェの整備員は、目が点になって、思わず「あんたたち、なんてことするんだ。。。」と絶句。組み直しに3日間を要することに。。。

プラモ化のために分解されてしまったポルシェは現在も本社に展示されています。



2.「こだわり」の製品化のために、寒くなると動かなくなる戦車を製品化

「タイガー?」という戦車があるそうで、どうしても製品化したかったんですね。タミヤはこだわりまくるので、砲撃音やエンジン音まで再現したいわけです。そして本物を世界中で探しまくり、フランスでようやく発見。無理やりにエンジンをかけさせるわけです。フランス人に。

そして砲撃音、エンジン音も本物そのものを忠実に再現、戦車の主砲を「バーン」と撃つと、その車体がその反動で「ドーン」と揺れるところまで再現したのです。

これでタミヤは止まりません。。

冬場など寒い季節にエンジンがかかりにくくなるところまで再現。」内部に温度センサーを内蔵し、気温が低いときにモーターが作動しないところまで再現したのです!

こちらは2000年5月発売で、定価がなんと91,800円!なんですが、発表後一年間8,000台のスマッシュヒットを達成しました!



3.「こだわり」の製品化のために、コストよりクオリティーを追及

零戦52型リアルサウンド・アクションキット」という製品の開発の時。発売予定日まであと一か月ばかりの時、社長の田宮俊作氏は完成したばかりの「零戦」を見て考え込みんですね。「何かが違う。。。」

そこで社長命令が。「エンジンを覆う部分が0.7ミリ〜0.8ミリ絶対大きいから図りなおせ!」社長の目に狂いはなく、翌月の発売は打ち切り。。。

発売にこぎつけたのはなんと一年後。。手直しに要した追加費用は数千万円。。。



今の時代はそんな悠長なことは言ってられないとか、それは経営トップだからできるんだとか、いろいろ反論もあるんだと思うのですが、そういうSpiritsって言うんでしょうか、何か学ぶところがあるんじゃないかなと思っています。

「Stay hungry, Stay foolish」な、そして「コモディティー化」しない、田宮模型
久っさしぶりにプラモデルを作ってみるのも「Spirits」を感じるのにいいかもしれませんね(笑)

そんな田宮模型物語、是非下記をご一読下さい。

田宮模型の仕事 (文春文庫)

田宮模型の仕事 (文春文庫)


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