三十歳から四十五歳を無自覚に過ごすな〜サッカー監督 羽中田昌氏〜

前回も書かせて頂きました梅田望夫さんが著書「ウェブ時代をゆく」で提言されている「ロールモデル思考法」。再度思い出しておきましょう。

「好きなこと」「向いたこと」は何かと漠然と自分に向けて問い続けても、すぐに煮詰まってしまう。頭の中のもやもやは容易に晴れない。ロールモデル思考法とは、その答えを外界に求める。直感を信じるところから始まる。外界の膨大な情報に身をさらし、直感で「ロールモデル(お手本)」を選び続ける。たった一人の人物をロールモデルとして選び盲信するのではなく、「ある人の生き方のある部分」「ある仕事に流れるこんな時間」「誰かの時間の使い方」「誰かの生活の場面」など、人生のあらゆる局面に関するたくさんの情報から、自分と波長の合うロールモデルを丁寧に収集するのだ。(p119-120)


私はテレビ番組「情熱大陸」が大好きで、梅田望夫さんの「ロールモデル思考法」に出会う前からずっと見てました。そして「ロールモデル思考法」という言葉にであったのですが。「情熱大陸」を見て、何かを感じる。定点観測的に見て、自分が関係のある分野・業界にこだわらず、自分に関係ない分野・業界の方の人生を「流しそうめん的」に見続ける。

これって、「ロールモデル思考法」だったのかなって思いますね。自分が普段出会わない人に出会って、何か学べるというか。

そんな中、昨日なまた衝撃的なロールモデルに出会いました。
下半身不随の大怪我をされながら、2008年4月にJリーグ入りを目指す四国社会人リーグのカマタマーレ讃岐の監督に就任されました羽中田昌さんです。

先日の日曜日の「情熱大陸」ご覧になりましたか?

16歳で高校サッカーの名門中の名門、山梨県立韮崎高校に入学され、1年生からレギュラー。そんなエリート中のエリートの羽中田さんが、19歳のときに、不運なバイク事故で脊髄損傷、下半身不随となり、サッカー選手生命が絶たれます。そんな羽中田さんがどのような三十歳から四十四歳を経てカマタマーレ讃岐の監督にまで上りつめたのか。
かなり興味を持ちまして、wikipediaと「情熱大陸」の情報を基に、羽中田さんの経歴をまとめて見ました。資料上で「三十歳から四十四歳(羽中田さんは現在四十四歳)」がわかるようにしてみました。羽中田さんはこの「大切な時期」をどう生きたのでしょうか。

エリートとして将来を嘱望されていた羽中田さんは、19歳のときのバイク事故、下半身不随という不運な出来事の後、自ら努めてサッカーから離れよう、サッカーを忘れようとしました。そんな気持ちで、22歳で山梨県庁に入庁され、公務員として、サッカーと無縁の生活を9年間送られます。

しかし、羽中田さんは、サッカーから離れることはできなかった。

ちょうど1993年にJリーグが開幕、長谷川健太堀池巧など、羽中田さんがともに競ったライバルたちがJリーグで脚光を浴び、大活躍する姿を見て、もう一度サッカーと向き合うことを決心。サッカー指導者を目指し、スペイン・バルセロナに渡る決意をしました。当時31歳。

スペイン・バルセロナにて、羽中田さんは、「車椅子でもサッカー指導者になれる」と確信、5年間の修行を終え、日本に帰国、暁星高等学校サッカー部コーチを皮切りに、コーチとしての経歴を着実に重ねました。

そして、ついに2006年9月、身体障害者としてはじめて日本代表監督、Jリーグ監督に就任するために必要な日本サッカー協会S級ライセンスを取得したのです。

そして、2008年、四国に渡り、カマタマーレ讃岐の監督に就任、更なる夢に向かってのチャレンジがスタートしたのです。

この羽中田さんの経歴を見て、「三十歳から四十五歳の大切な時期をどう過ごしたか」を考えると、

31歳 サッカー指導者を志し、スペイン・バルセロナに渡る
ここが分岐点となっているのは明らかだと思います。スティーブ・ジョブズの言葉を借りると、下記のようになるでしょうか。

人生には時としてレンガで頭をぶん殴られるようなひどいことも起こるものなのです。だけど、信念を放り投げちゃいけない。私が挫けずにやってこれたのはただ一つ、自分のやっている仕事が好きだという、その気持ちがあったからです。皆さんも自分がやって好きなことを見つけなきゃいけない。
それは仕事も恋愛も根本は同じで、君たちもこれから仕事が人生の大きなパートを占めていくだろうけど自分が本当に心の底から満足を得たいなら進む道はただ一つ、自分が素晴しいと信じる仕事をやる、それしかない。


蒲島郁夫さんも、31歳でハーバード大学大学院に入学されています。
羽中田さんも、蒲島さんも、自分を信じて、自ら一歩前に出られたんですね。

「一歩前に出る」って、簡単に言ってしまえば簡単なんですけど、梅田望夫さんもおっしゃっていますが、絶対「何かを捨ててる」んですよね。一歩前に出る時って。それとの引き換えに「何かを得る」んだろうなと思います。

情熱大陸」の中で、しょんぼりしていた羽中田さんを励ますために奥さんがおっしゃった言葉というのも、とてもいい言葉でした。

あきらめなければ、目標は逃げないから


4月13日現在、カマタマーレ讃岐は、勝ち点同点の2位につけています。羽中田さんは「選手と一緒に自分も戦えて、本当に楽しい」とおっしゃってました。

今までサッカーを離れようとして、楽しめなかった分思いっきり楽しんで欲しいと思います。

羽中田さんの著書、私も読んでみたいなと思ってます。
「何を捨てて」「何を得たか」。知りたいなと。。

夢からはじまる

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