シンプルであることの重さ 〜「ゴールは偶然の産物ではない」読了〜

大変長らくのご無沙汰で申し訳御座いません。。約半年ぶりのエントリーになります。また今日より心を入れ替えて、新たに知ったこと、思ったことを書いてみたいと思います。お気に召しましたらお付き合い頂ければ。。。

以前、「三十歳から四十五歳を無自覚に過ごすな 〜ジョゼ・モウリーニョ〜」というエントリーを書かせて頂いたように、私欧州のサッカーが好きなんですが(といってもあまり詳しくないのですが。。)そんな経緯もあり、思わず手に取ってしまったのが下記の書籍であります。

ゴールは偶然の産物ではない~FCバルセロナ流世界最強マネジメント~

ゴールは偶然の産物ではない~FCバルセロナ流世界最強マネジメント~

今や欧州でも1位2位を争うビッグクラブをなったFCバルセロナ。ですが1996年から2002年の間、クラブとしての収益低迷に苦しむ時代がありました。これをいかに乗り越え、今の地位を確立することができたのか。この2003年からFCバルセロナ建て直しに奔走し現在の地位を確立したその立役者であるフェラン・ソリアーノ氏が実名入りで裏事情を含め細かい部分まで語りつくしています。欧州サッカーファンにはたまらん内容になっております。

ですが、もちろん欧州サッカーをご存知ない方でもビジネスにおける多くのヒントを得ることができるとても優れた書籍だと思います。やはり実体験から導き出される「現場知」とでもいいましょうか、これは説得力があります。そんな数々の「現場知」の中でも私が特に今回心に響いたのは下記の一文であります。

「同じ条件下においては、最も単純な解決策が恐らく正しいものである。」(P246)

私が属する業界でも、最近富みにその業界構造が複雑さを増しておりまして、なんやかんや色々考え出すと、知らぬうちに非常に複雑な話になってしまっていることがよくあります。またこれを違った視点で眺めてみると、「複雑な業界である」との強い思い込みから、複雑な方向複雑な方向へ「逃げ込もう」としているに過ぎず、本来シンプルに考えればいいことなのに、そのシンプルさを「避けよう」としている自分がいるのではないか。この一文に触れ、そんな思いを強く持ちました。

例えば、営業の現場でとあるターゲット顧客を何とか攻略しようとしているシチュエーションがあるとします(これは実話です。。)。なかなかライバルが手ごわく、なかなか突破口が開けない。そんな袋小路に陥ったとき、色々と小難しいことを考え始めたりしてしまうことってありませんか。。目の前にある課題に対し、すぐ動いて正面からぶつかってみようとせず、小賢しい「戦略という名の回り道」に逃げるような感じがしたり。。

こういうシチュエーションで最も大切なことっていったい何なんだろうと考えてみると、実はかっこよくて、美しい言葉や図表で語られた戦略ではなく、「Never Give Up!」というシンプルな言葉なんじゃないんだろうか、最近そんなことを痛烈に感じています。もっと言えば、「Never Give Up!」という言葉だけでなく、自分自身が率先してこの「Never Give Up!」を体現する=背中で語ることが重要なのでは。今まで私が一緒に仕事をさせて頂き、感銘を受けた素晴らしい諸先輩方は、皆さん「Never Give Up!」を背中で語るような方ばかりでした。

営業の現場でも何でもそうですが、何かと戦っているシチュエーションにおいて、仮に負けたとしても「いかに負けるか」というのは非常に重要です。例え負けたとしても、勝者にどこまで肉薄できたかによって、間違いなく次の勝負の勝ち負けが左右されます。仮に今回注文が取れなかったとしても、そのライバル・顧客を追っかけて肉薄し「負ける」ことが次の受注に繋がる。これは私の営業体験でのゆるぎない「現場知」です。資格試験だってそうです。仮に「今年はもう無理だ」と思ったとしても、だめもとで一生懸命追っかけて合格に肉薄して「負ける(不合格になる)」。これにより、次年度の合格にぐっと近づくことができる。中には今年は無理だったはずの人が、肉薄どころか思い余って合格しちゃう人まで出てきます。。いるんですよ、そういう人も。まさしく「Never Give Up!」です。

私も中小企業診断士ということでコンサルタントの端くれであります。。さすがにコンサルタントが「Never Give Up!」と言っただけでコンサルフィーを頂くというのは許されないかもしれません。しかし例え新しい戦略の提案が求められるコンサルタントであったとしても、本当に大事なのはこの「Never Give Up!」といったシンプルな言葉なんだということを心に留めておかないと、提案自体が美辞麗句を並べただけのクライアントの心に響かない「戦略という名の回り道」になってしまうリスクがある。「ゴールは偶然の産物ではない」。この書籍に接して「はっ」とそんなことに気づかされた書籍でした。

最後に「ゴールは偶然の産物ではない」から、秀逸の一文を。。

目標達成、勝利を願う者は、何よりもそれに向けた確固たる意思を持つことである。無駄にする時間などない。今すぐ、全身全霊を打ち込み、揺るぎない意思を持って目標に向かうことで、勝利への道が開けるであろう。(P265)

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