福岡での「松下電器・中村改革 ミニ講演」
この3月に、福岡県福岡市にあります松下電器の関係会社にお伺いしまして、松下電器の「中村改革」についての出張ミニ講演をさせて頂きました。
去る1月に、所属している研究会にて松下電器産業の「中村改革」についてのショートケースを発表させて頂いたのですが、その時の参加頂いた方の中に、松下電器の関係会社の幹部の方から、おられ、「社員に松下に働く責任・誇りを再認識させたい。福岡で講演をお願いしたい」という大変うれしいお話を頂きまして、今回実現の運びとなりました。
松下電器産業が2001年のマイナス4,310億円の赤字決算からいかに立ち上がったか、そして08年1月に発表された社名の「パナソニック株式会社」への変更の狙いなどについてお話をさせて頂きました。
私の発表後に、ディスカッションを行い、「企業改革をやりたいが実現できない会社がたくさんある中、中村改革の成功要因を勉強して、その成果をビジネス拡大に生かすべきだ」という声など、今後に生きる素晴らしい意見が多数出ました。
下記が発表資料の中で一番キモの部分である「中村改革前の松下の課題」と「その解決策」のチャートです。
課題の整理で「6レバー」というフレームワークを使用しています。私の先生の一人が教えてくださったフレームワークですが、もれなく問題点や課題を整理するのに使いやすくて、またカスタマイズもしやすいので、是非参考になればと思います。
やはり、これだけの大規模かつ困難なな施策を6年でやりきり、大きな成果を出したこの改革は、後世に残る大改革だと思いますし、私もこの成果を勉強して、仕事に生かしていくべきだと思っています。
よく「何が中村改革の成功要因なのか」という質問を受けるのですが、これは今後も考えようとおもってるんですが、今の私の考えとしては「経営理念」ということに行き着くのかなと思っています。
松下幸之助は松下という会社を「できるだけ多くのお客さんに魅力ある商品を届ける」という経営理念を持って経営していたと思うんですが、これが時間の経過とともに変わってしまって、お客さん目線でのものづくりが段々と減り、「生産者目線」になってしまった。
それを家電営業として痛烈に感じていた中村社長は「幸之助さんはもっとお客さんのことを考えてものづくりをしていたはずだ。その理念をもう一度考え直し、悪い部分を一緒に直していこう」という考えを
「破壊と創造」
という5文字で表現され、社員のベクトルを一つにされた。
そこから、社員からどんどん新しい提案が出され、プロジェクト化されて実現されていったとのことなんです。
事業再生の局面において、社員があきらめの壁を越えて、気持ちを一つにするための「経営理念」、最近多くの人がその重要性について言ってますね。
数々の著書が出ておりますが、下記の本が非常によくまとまっておりますのでぜひ参考になさってください。
松下電器の経営改革 (一橋大学日本企業研究センター研究叢書)
- 作者: 伊丹敬之,田中一弘,加藤俊彦,中野誠,伊丹敬之ほか
- 出版社/メーカー: 有斐閣
- 発売日: 2007/12/25
- メディア: 単行本
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また、ちょいと立ち寄った湯布院のお湯の素晴らしいこと(笑)いい経験をさせて頂きました。
関係者の皆様、ありがとうございました。