スティーブ・ジョブズに学ぶ「ビジネスの基本」

AppleのCEO、スティーブ・ジョブズに関する著書は多数出ており、皆さんもお読みでしょうかね?私は下記の書籍がかなりいいなと思っております。

スティーブ・ジョブズ-偶像復活

スティーブ・ジョブズ-偶像復活

で、書店をぶらぶらしておりましたら(Amazonのお世話にはなるのですが、書店ぶらぶらで、思わぬ本との出会いは格別です)、下記の新書に出会いまして、早速購入。あっという間に読み終えました。

iPodをつくった男 スティーブ・ジョブズの現場介入型ビジネス (アスキー新書 048)

iPodをつくった男 スティーブ・ジョブズの現場介入型ビジネス (アスキー新書 048)

何か新しい情報があるわけではないのですが、非常に読みやすい本です。この本を読んでも「やっぱスティーブ・ジョブズすごいわ。真似できひん。。。」とも思ったのですが、ちょっと待てよと。この本はわかりやすさゆえに、スティーブ・ジョブズの「ビジネスの流儀」から、私たちが「明日からやるべきこと」を教えてくれているような気がしています。下記の3ポイント、大事ですね。。。

1.スティーブの素晴らしいプレゼンに影の努力あり
スティーブ・ジョブズのプレゼンテーションの素晴らしさは改めて言う必要はないですね。私が大好きなのは「iphone」の発表の時のプレゼン。プレゼンの最後の最後で、「One more thing」と聴衆の期待を最大限まで高めて「iphone!」でドッカーンと聴衆のボルテージは最高潮に!この本では「まるでロックコンサートのようだ」と褒め称えておりますが、確かに、その盛り上がり方は、あのウッドストックのロックフェスティバルでジミ・ヘンドリックスが登場したときのハイボルテージを思い出させます。

そんなプレゼンはどうしてできるのか。それはスティーブ・ジョブズが天才だから?いや。私はこの本を読んで知りましたが、どうもそうではないみたいですね。

ジョブズのプレゼンテーションにも台本はある。デモの準備には、何人もの部下が、数百時間を費やしてあたっている。しかし、その筋書きの大半はCEOである彼自身が考えだすのだ。決して広告代理店に仕切らせたり、広報担当者がストーリーを準備することはない。

彼はプレゼンテーションファイル自体も自分で構成する。社内のデザイナーも手助けはしているが、ほとんどの文章やレイアウトはジョブズ自身の手によるものだ。

リハーサルには丸2日かけ、その間にもいくつかのバリエーションを試しながら、時間がゆする限り完璧な構成を模索していく。そして幕が開き、世界が刮目するのである。

もう、いうことないですよね。。。あのスティーブ・ジョブズがリハーサルに丸2日かけてるんだから、私は丸4日はかけないとお話にならんですね。。。反省。。。

それと、皆さんが晴れてCEOになられた時には、全部とは言いませんが、自分の手でプレゼンを作りこみましょうね。やっぱ、自分で作って、自分で考えて、自分の言葉で語ると、スティーブ・ジョブズのように、聴衆の心に届くと思うんですよね。

2.シンプルに、シンプルに、シンプルに
私、このアルバート・アインシュタインの言葉を初めて知ったのですが、こんなことを言ってるんですね。

ものごとは、ただ単純化するのではなく、それ以上に単純化できないところまで単純化すべきである。

この本には、スティーブ・ジョブズがあらゆることを「単純に」することを非常に重要視していることを実例で述べています。そもそもMacというコンピュータは、複雑なコマンド、操作が必要であった当時のコンピュータに疑問を呈し、アイコンをクリックすることで操作できるという「単純化」。そしてスティーブ・ジョブズAppleに復帰したとき、複雑で混沌とした製品ラインナップの整理・統廃合を断行したという品揃えの「単純化」。そして、そのApple製品の、贅肉を極限までそぎ落とした、その製品デザインの「単純化」。

私が、スティーブ・ジョブズの「単純化」で一番感銘を受けるのは、やはり

「メッセージの単純化
です。考え抜かれて考え抜かれて、気持ちが、言葉が結晶となって浮かび上がってくるような珠玉の言葉、そして込められたメッセージ。その中でも私の大好きな3つのメッセージです。


Think Different(1986年 スティーブ・ジョブズApple復帰の時のスローガン)
Connecting Dots(点を繋ぐ、今はばらばらの点であっても、かならずいつか繋がるって信じる、スタンフォード大学の卒業式でのスピーチより)
Stay hungry, Stay foolish(ハングリーであれ、そして馬鹿であれ、スタンフォード大学の卒業式でのスピーチよ

スタンフォード大学の卒業式でのスティーブのスピーチ、ぜひ、この感動的なスピーチをご覧になってください。また目頭が。。。



(原文)http://news-service.stanford.edu/news/2005/june15/jobs-061505
(日本語訳)http://www1.seaple.icc.ne.jp/t-hirose/text/ringo/jobs2.html


3.「君はベストを尽くしたのか」を自分に問えるか

この書籍の最後の「スティーブ・ジョブズ語録?」のこの一文はシンプルがゆえに、説得力があります。

スティーブ・ジョブズが自らのスタッフに要求するのは、ごく単純化してしまえば「君はベストをつくしたか?」ということに尽きる。


そう聞かれたときに、胸を張って、これ以上はできないというところまで努力したといえるのか、あるいはまだ気がかりがあり、何かしら打つ手が残っているのか、それがジョブズを満足させられるかどうかの境目になる。

これは、スティーブの期待に応え、満足させるには、この「君はベストを尽くしたのか?」という問いをスティーブに問われる前に「自分に問えるか」ということだと思うんですね。そして、この時にとても重要でかつ悩ましいのは、

「どこに基準を設けてベストを尽くしたかを判断するか」

だと思います。何かを手掛けるとき、結局のところ時間の制約により自分がベストを尽くす機会を制限するんだと思うんですね。となると、私が思うのは、

最後の最後まで「ベストを尽くしたか」を問い続け、そして最後の最後まで「ベストを尽くした」と思ってはいけない

ということなんだろうかと、思っています。私自身の経験ですが、難しい課題に対する解決策のプレゼンを求められたことがありました。その時、考えても考えても自分の考え、資料がベストであると確信がもてない。けど時間はない。もうそうなると、最後まであがいて、「まだベストを尽くしていない」と自分に言い聞かせて、ねばって、考え続ける。そうすると、不思議なんですが、神様が助けてくれるかのように、言葉が降りてきたんですね。最後の最後は「もうこれでいくしかない」と腹をくくりましたが、その寸前まで「まだベストを尽くしていない」とねばってみるというのは、辛いですがいい結果を招くかもしれません。

あらためて、自分の書いていることを読んでみると、ビジネスの基本ですね。。。この基本がなかなか徹底できないのですが。。。勉強になります。

あっ、この本の中に、Appleipod touchiphoneを超える、モバイル製品を開発中とのうわさありという記述があります。何でしょうかね〜。何かもわからないのに、「欲しい!」って思わせるスティーブ・ジョブズ、最高です。


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