任天堂の社名の「意味」に学ぶ 〜失意泰然、得意冷然〜

日本経済新聞社との共同による「モノやお金の仕組みDS」Wiiでのインターネット接続率向上に向けたインターネットチャンネルの無償化など、ゲームの領域を超えて更なる「DS」と「Wii」の水平展開を仕掛け続けている任天堂。私も何度か任天堂の話を書かせて頂きましたが(三十歳から四十五歳を無自覚に過ごすな 〜任天堂社長 岩田聡氏〜任天堂 売上高2兆円突破を記念し、数字を色々集めてみましたなど)、ちょっと前に出版された下記の任天堂本を読みたい読みたいと思いながらも先送りにしていまして。。先日ようやく読み終えました。。

任天堂 “驚き”を生む方程式

任天堂 “驚き”を生む方程式

「今までの任天堂」と「これからの任天堂」をわかりやすく纏めてあり、単純に「面白い本」なのですが、加えて「あーこんな会社で仕事してみたいなー」と素直に思わせてくれる良書だなと思いました。やっぱかっこいいですね、任天堂。その会社としての「立ち振る舞い」が本当にかっこいいなと改めて思いました。

そんな良書「任天堂 “驚き”を生む方程式」の中で、とても印象に残る言葉がありましたので、是非ご紹介したいのですが。。

それは任天堂3代目社長で今の任天堂王国を築きあげた立役者、山内溥氏が考える「任天堂という社名の意味」についてのお話。山内さんはご自身が考える「任天堂」という言葉の意味をこのように語っておられます。


人生一寸先が闇、運は天に任せ、与えられた仕事を全力で取り組む。これが山内が定義した、ニンテンドウの社名の由来である。(P256)

またこれに合わせて、この山内さんの座右の銘も紹介されています。

失意泰然、得意冷然(運に恵まれない時は、慌てず泰然として構え努力せよ。恵まれたときは、運に感謝し、冷然と努力せよ)(P257)

この2つの文章を合わせて考えてみると、「人生どうなるかわからない。運は天に任せ、だけどもその日その日を一生懸命全力で生きよう。その結果、運に恵まれなかったとしても、今回は運が無かったと思い、次に進んでいこう。また恵まれた結果が出たときは、運が良かったと思い、運に感謝して冷静に今までの努力を続けよう」、私はそんな解釈をしました。

若干唐突ですが。。。英国の哲学者ジェームス・アレンという有名な方がおられまして、「原因と結果の法則」という著書があります。これは、「全ての物事は原因があるから結果があるわけであり、自分の人生の創り手は自分自身である」ということが述べられていて、私の好きな書物の一つであります。

「原因」と「結果」の法則

「原因」と「結果」の法則

「原因があり、結果がある」。この関係を考えた場合、「運」という要素を排除して「全ての結果は必然である」と考えてしまうと、やっぱり結果が出ないこともあるわけでして、その結果が出ない場合、「自分の努力が足りなかったんだ」など「自分起因の原因」を必要以上に責め立てて、そこで立ち止まって前に進めないというようなことがあるように思います。

ですが、「運に任せる」という考え方に立つと、「自分起因の原因」の段階で最善を尽くし、「結果は運である」と捉えられれば、仮に結果が出ない場合でも、自分を必要以上に責めることなく、改めて前を向いて進めるような気持ちになれると思いますし、仮に結果が出たとしても、「それは運が良かったんだ」という謙虚な気持ちにもなれるように思うんですね。

私は今まで物事の考え方の中心に「運」というものを置いて考えたことがあまり無くて、「運に任せる」というとある意味他力本願的な印象を持っていたんですが、決してそうではないんですね。

「失意泰然、得意冷然」。そんな言葉を通して私達に生き方・在り方を教えてくれる任天堂という会社を、今後も応援していきたいな、そんなことを改めて思いました。

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