「はてなカミオカンデ」を作ってほしい

前回(私の「パーソナル・カミオカンデ」をご紹介します)、前々回(「パーソナル・カミオカンデ」をデザインする)に情報収集インフラとして、梅田望夫さんが「ウェブ時代をゆく」でおっしゃっている「パーソナル・カミオカンデ」の話をしました。その中で、「パーソナル・カミオカンデで収集した情報を総合的にワンストップで管理できるWebサービスを作ってほしいな」と書いたのですが、本当にほしくなってきまして(笑)、無理を承知で「こんなのがあるとええなぁ」というのを書いてみました。

題しまして、はてなカミオカンデ

全体コンセプト 〜こんなことができるとうれしい〜

自分勝手ですが、「はてなカミオカンデ」は、下記4点を満たすようなサービスであってほしいなと。

1.あらゆる情報(Web、紙、画像、動画、音声など)を一つのサービス上にてワンストップで管理・検索できる
2.ユーザーの志向性と世の中のトレンドを解析し、今の「カミオカンデ」が競争力のあるものかを判断し、「カミオカンデ」を強化する新しい情報収集手段を「提案」してくる
3.情報収集が継続されるよう、ペースメーカーとなる(=尻叩き役)
4.はてなブックマークのように、他の人の「カミオカンデ」を見ることが可能、お互いが「カミオカンデ」のブラッシュアップできる仕組みにする

はてなカミオカンデ」〜初期設定〜

まず、自分の志向性(=情報収集の目的)を明らかにするために「なんとか職人宣言」をします。「私は新規事業開発職人であります」とか、「私はナポリピザの職人であります」とか。職人宣言は複数宣言することが可能で、その組み合わせでユーザーの志向性を判断、カミオカンデ設計をアシストしていきます。「なんとか職人宣言」については、以前書いたエントリー「何かを続ける技術について考えてみました(斉藤孝氏の「続ける技術」〜なんとか職人という自己規定〜)をよろしければどうぞ。合わせて「なんとか追っかけ宣言」「なんとかマニア宣言」もできるようにしたいです。
つぎに、私が考えたフレームワーク(下記の図を参照)をベースに、情報収集源を登録していきます。

情報収集源を入力すると自動的にその情報の更新頻度が導き出され、一週間・一ヶ月の情報収集スケジュールを自動作成。その負荷を計算し、あまりにも負荷が大きい場合、その情報収集源としての需要度・優先度をもとに自動的に取捨選択。望ましいか「カミオカンデ設計+情報収集スケジュール」を提案してくれます。

また、「なんとか職人宣言」をベースに、「おすすめ情報収集源」「他の同じ職人宣言をしている人はこんな情報収集源を使ってますよ」という提案が自動的になされ、ユーザーはそれを参考にしながら情報収集源を入れ替えたりしながら、ユーザーの志向性にふさわしい「パーソナル・カミオカンデ」を設計していきます。

はてなカミオカンデ」〜情報の登録と検索〜

はてなカミオカンデ」上で情報収集スケジュールに基づき、その日チェックすべき情報源一覧がでます。Web上の情報収集はRSSリーダーなどを使いながら、自動的におすすめ記事を抽出、お気に入りはブックマーク登録。紙媒体は、もし全情報でなくても記事タイトルなど一部でも情報があれば、自動的に「おすすめ記事」として提案(日経産業新聞など、Web上で記事タイトルのみアップされてます)。ユーザーはスキャナーでデータ化(汎用性を考えるとやはりPDFがありがたい)、その紙情報をテキスト化し、自動で重要キーワードを認識しタグをつける。これを動画、画像、音声でも実現。(例えば、講演会の音声データを自動認識し、タグをつける)。こうやって、Web上情報のみならず、紙も動画もすべてに同じ条件でタグをつけることにより、全て同じ土俵で情報を取り扱えるようにし、検索も自由にできるようにします。

また、その時々で読んでいる本について、本についているバーコードを読むと自動的に「読書コーナー」にその本が記述され、読後に一言感想が書けるようにする。この蓄積はユーザーの読書の歴史となります。

その登録情報はWeb上のストレージサービスに保管され、どこでもネット環境があればアクセスできるようにしたいです。

そして、何か新しい情報をカミオカンデに登録したら、すでに登録済みの情報から関連性のある情報をピックアップ、画面に表示し、「以前こんな情報を登録してますが、おぼえてますか?」とリマインダーしてくれる。こうやって過去情報を思い出させる仕組みを設けることにより、情報の「歩留まり(=定着度)」を上げていきます。

はてなカミオカンデ」〜情報収集のペースーメーカー機能〜

すでに登録済の情報収集源から導き出したスケジュールをもとに、その情報収集源からあまり情報が登録されていない状況が数日続いた場合、「この情報収集源からのお気に入り情報はあまりありませんか?」とやさしくフォローして聞いてきます。「そうなんです。あまりいい情報がなくて。。。」ボタンと「いや。そうじゃないんです。ちょっとなかなか時間がなくて。。。」ボタンがあり、前者が続くと、「この情報収集源はカミオカンデからはずしますか?(音声あり)」と提案してくる。逆に後者の場合は「そうですか。あまり無理せずにがんばりましょうね(音声あり)」というやさしいメッセージが出ます。情報収集のPDCAサイクルを回す感じです。

このPDCAのC(Check)が非常に重要で、ここは色々な設定ができるようにする。「どS、S、M、どM」の4段階を設定、ユーザーの文字通り「志向性(嗜好性?)」に合わせて、厳しくお叱りを受けたり、やさしく励まされたりを選択できるようにする、また私のような地方出身者向けに「方言選択機能」を用意。故郷を懐かしむ方言での励ましに思わず涙しながら、再び立ち上がる勇気をもらえる仕組みを導入(ここ、あんまり力いれるところじゃないか。。)

ただし、「パーソナル・カミオカンデ」の思考としては、「情報を受け流す」ことも推奨しているので、何が何でも情報収集しないといけないというPDCAはちょっと行きすぎかと思います。毎日毎日情報収集に追われるような、ストレスのかかる状態をできるだけ緩和できるようにしたいですね。

はてなカミオカンデ」〜他の人のカミオカンデを参考に〜

はてなカミオカンデ」は「はてなブックマーク」のように、できるだけオープンな環境であるべきだと思います。同じ職人宣言をしている人がどのようなカミオカンデをデザインしているかをお互い見ながら、切磋琢磨していく。ただし、特に紙情報を中心に著作権の問題があるため、共有できる情報は一定の制限をかけざるを得ないと思います。そして非常に参考になったカミオカンデユーザーには「はてなポイント」でお礼を。

また、カミオカンデをスーパーに使いこなしているユーザーを「アルファー・カミオカンダー」と称え、その素晴らしきカミオカンデを皆さんに紹介していく。ここまでいくと、カミオカンデをいうのは今のBlogと同じような、Web上で必要不可欠なインフラにまで発展するかも(ってちょっと妄想が膨らみすぎました。。)

はてなカミオカンデ」〜定期的なメンテナンス〜

はてなカミオカンデ」では、そのユーザーのカミオカンデを、Web上の情報や、他の人のカミオカンデを参考にしながら、「その人がその職人の世界で競争力を維持するのにふさわしいカミオカンデか」を半年に一回コンサルティングしてくれます。そして、よりよい情報源が提案され、情報源の入れ替えにより、カミオカンデはブラッシュアップされます。もちろん、その都度負荷計算がなされ、実行可能なカミオカンデかどうかを検証します。

継続のためには「捨てる勇気」は絶対必要ですね。時間は有限ですので。

最後に〜これが実現できたらいくらまでお金を出せるか〜

ちょいいやらしい話ですが、私ここまでのサービスを「無料」でとは思っておりません。書いてて思ったんですけど、この「はてなカミオカンデ」って「フィットネスクラブ」のようなところがあるような気がして、ちょっと調べてみたら月会費10,000円ぐらいするんですね。これはさすがに高いですが、月5,000円ぐらいは出してもいいかなと思いますがどうでしょうか?基本セットの価格を安めに設定し、各種機能をオプションにし、そのオプションに応じて金額が変わる設定だとうれしいですね。

これは「はてな」の会社としてのポリシーに反するとは思うのですが、ビジネスを考えた場合、「はてなカミオカンデ」の法人売りもビジネスとしては魅力あるかもしれないですね。コンサルティング会社など、知的労働、情報産業的な会社に対し、会社共通のインフラとして売り込めば、結構食いつきがいいかも。ただ、ナレッジマネジメントなどすでに競合サービスはあるかなー。

あと、是非学生に使ってほしい。もし小さいころから「私はなんとか職人だ!」と宣言し、それに関する情報のシャワーを浴び続ける経験をしたら、それはもうとんでもない職人さんが生まれるのでは。

はてなカミオカンデ」の実現、首を長くしてお待ちしてます!


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